第11回JCOG臨床試験セミナー入門編開催報告

2009年9月5日(土)、東京ステーションコンファレンスにて、臨床試験セミナーを開催いたしました。当日は132名の方にご参加いただき、好評のうちに終了いたしました。

[JCOG臨床試験セミナーとは]
本セミナーはJCOG教育研修委員会が主催でJCOGの研究者を主な対象者としていますが、特定非営利活動法人がん臨床研究機構(Clinical Oncology Research and Education: CORE)と厚生労働科学研究費補助金医療技術実用化総合研究事業「臨床研究ポータルサイトICRwebを用いた研究者、倫理審査委員、臨床研究専門職、市民の教育と啓発」班との共催による公開セミナーとして開催しています。臨床試験に関わる医師やCRCをはじめとした臨床試験支援スタッフに、臨床試験方法論の基本事項について学んでもらうことを主旨として毎年同じ内容のプログラムを提供しています。講師はJCOGデータセンターおよび運営事務局のスタッフや施設の研究者が務め、JCOG研究を例に取り上げながら解説しています。セミナーのプログラムは下記のとおりです。

[統計学、臨床試験サポート体制紹介の講義が好評]
山中先生講演風景 参加者アンケートによるプログラムの評価は、全体を通して 概ね好評で、例年より臨床試験関与歴の長い方が多く参加されたにもかかわらず、臨床試験方法論の基本的な内容をまとめて勉強できる機会になり有意義だったとの感想をいただきました。今回、臨床試験関与歴の長い方の参加が多かった理由として、「臨床研究に関する倫理指針」の改正により、研究者の教育が義務化されたためと考えられます。
講義別の評価では、統計学、試験デザイン、JCOG参加施設のCRCによる臨床試験支援についての講義が、例年どおり大変好評でした。臨床試験に必要な組織、品質管理と品質保証、被験者保護と研究倫理の講義も、初心者にもわかりやすい講義だったとの感想をいただいております。
なかでも統計学の講義は有用な講義として1番に挙げられ、非常にわかりやすく統計の勉強に意欲を持ったとの声やさらに進んだ内容の講義を求める声も多くあり、統計学への関心の高さが伺えました。また、JCOG参加施設のCRCによる臨床試験支援についての講義は、昨年と同じく東海大学医学部のサポート体制の紹介でしたが、講師の稙田氏の 熱心な取り組みに、素晴らしい、自施設でも取り入れたい、 CRC以外の業務でも役に立つ情報だった、など今回も 参加者の皆さまからは感嘆の声があがっていました。

[次回開催は2010年夏の予定]
COREでは来年度以降も本セミナーを共催していく予定です。今回ご参加いただけなかった方は、次回のセミナーに是非ご参加ください。

             質疑_会場全体風景

※セミナーで使用したスライド資料とセミナーの収録映像を次のサイトの「その他
   教育プログラム」というコーナーに掲載いたしました。
   自己学習や勉強会の教材としてご活用ください。
ICRweb      ICRweb(http://www.icrweb.jp/icr/


[プログラム]
  講義名 講師
1 臨床試験に必要な組織・人・金/JCOGの機構と役割  福田 治彦
(JCOGデータセンター長)
2 標準治療確立の流れと臨床試験のデザイン  齋藤 勇
(JCOG運営事務局 研究支援部門)
3 がん臨床試験で必要な最低限の統計知識  山中 竹春
(九州がんセンター臨床研究部 腫瘍統計学研究室)
4 臨床試験の品質管理と品質保証  冨井 裕子
(JCOG運営事務局 品質保証部門)
5 被験者保護と研究倫理  高島 淳生
(JCOG運営事務局 研究支援部門)
6 JCOG参加施設のCRCによる臨床試験支援  稙田 いずみ
(東海大学医学部 血液腫瘍内科)
7 質疑応答・総合討論  山本 精一郎
(JCOG教育研修委員会委員長)