第12回JCOG臨床試験セミナー入門編開催報告

2010年9月25日(土)、東京ステーションコンファレンスにて、臨床試験セミナーを開催いたしました。当日は147名の方にご参加いただき、好評のうちに終了いたしました。

[JCOG臨床試験セミナーとは]
本セミナーはJCOG教育研修委員会が主催でJCOGの研究者を主な対象者としていますが、特定非営利活動法人がん臨床研究機構(Clinical Oncology Research and Education: CORE)と厚生労働科学研究費補助金医療技術実用化総合研究事業「臨床研究ポータルサイトICRwebを用いた研究者、倫理審査委員、臨床研究専門職、市民の教育と啓発」班との共催による公開セミナーとして開催しています。臨床試験に関わる医師やCRCをはじめとした臨床試験支援スタッフに、臨床試験方法論の基本事項について学んでもらうことを主旨として毎年同じ内容のプログラムを提供しています。講師はJCOGデータセンターおよび運営事務局のスタッフや施設の研究者が務め、JCOG研究を例に取り上げながら解説しています。セミナーのプログラムは下記のとおりです。

[統計学、試験デザインの講義が好評]
福田先生講演風景 参加者アンケートによるプログラムの評価は、全体を通して概ね好評で、全体的な概要がつかめてよかった、なんとなくわかっているつもりだった事柄が非常によく整理できたとの感想をいただきました。
講義別の評価では、統計学、試験デザインの講義が例年同様、大変好評で、知識の再認識に大変有用だった、さらに進んだ内容の講義を聞きたいとの声が多く寄せられました。また、昨年の「臨床研究に関する倫理指針」の改正で教育の履修が義務化されたことによると思われますが、今回は被験者保護と研究倫理の講義にも多くの関心が寄せられ、普段あまり聞くことのない話を聞けて大変有意義だったとの感想をいただいております。臨床試験に必要な組織、品質管理と品質保証の講義も興味深くお聞きいただいたようです。
JCOG参加施設のCRCによる臨床試験支援の講義は、東海大学医学部のサポート体制の紹介で、今回で3回目となりましたが、工夫された取り組みや毎年新しく加わるツールの紹介に、参加者の医師からはCRCがどういう仕事をしているのか学べていかにCRCが必要か感じた、CRCからは非常に参考になった、積極的に何ができるか考えたい、などの感想が寄せられ、例年同様、大好評でした。

[次回開催は2011年夏の予定]
COREでは来年度以降も本セミナーを共催していく予定です。今回ご参加いただけなかった方は、次回のセミナーに是非ご参加ください。

             質疑_会場全体風景

※セミナーで使用したスライド資料とセミナーの収録映像はICRwebサイトの「共催セミナー」に掲載いたしました。自己学習や勉強会の教材としてご活用ください。
ICRweb      ICRweb(http://www.icrweb.jp/icr/


[プログラム]
  講義名 講師
1 臨床試験に必要な組織・人・金/JCOGの機構と役割  福田 治彦
(JCOGデータセンター長)
2 臨床試験の品質管理と品質保証  齋藤 勇
(JCOG運営事務局 研究支援部門)
3 標準治療確立の流れと臨床試験のデザイン  高島 淳生
(JCOG運営事務局 研究支援部門)
4 被験者保護と研究倫理+臨床研究に関する倫理指針  中村 健一
(JCOG運営事務局 研究支援部門)
5 がん臨床試験で必要な最低限の統計知識  水澤 純基
(JCOGデータセンター 統計部門)
6 JCOG参加施設のCRCによる臨床試験支援  稙田 いずみ
(東海大学医学部 血液腫瘍内科)
7 質疑応答・総合討論  山本 精一郎
(JCOG教育研修委員会委員長)