第13回JCOG臨床試験セミナー入門編開催報告

2011年9月10日(土)、国立がん研究センター築地キャンパスにて、臨床試験セミナーを開催いたしました。当日は114名の方にご参加いただき、好評のうちに終了いたしました。

[JCOG臨床試験セミナーとは]
本セミナーはJCOG教育研修委員会が主催でJCOGの研究者を主な対象者としていますが、特定非営利活動法人がん臨床研究機構(Clinical Oncology Research and Education: CORE)と厚生労働科学研究費補助金医療技術実用化総合研究事業「臨床研究ポータルサイトICRwebを用いた研究者、倫理審査委員、臨床研究専門職、市民の教育と啓発」班との共催による公開セミナーとして開催しています。臨床試験に関わる医師やCRCをはじめとした臨床試験支援スタッフに、臨床試験方法論の基本事項について学んでもらうことを主旨として毎年同じ内容のプログラムを提供しています。講師はJCOGデータセンターおよび運営事務局のスタッフや施設の研究者が務め、JCOG研究を例に取り上げながら解説しています。セミナーのプログラムは下記のとおりです。

[統計学、試験デザインの講義が好評]
参加者アンケートによるプログラムの評価は、全体を通して概ね好評で、入門編として非常によかった、様々な角度、切り口から臨床試験を見ることができてよかったとの感想をいただきました。
講義別の評価では、統計学、試験デザインの講義が例年同様、大変好評で、もっと深く勉強したい、もっと進んだ内容のセミナーに参加したいとの声が寄せられました。被験者保護と研究倫理の講義とJCOG参加施設のCRCによる臨床試験支援の講義にも多くの関心が寄せられ、とてもわかりやすかった、業務に活かしていきたいとの感想がありました。特にCRCによる臨床試験支援の講義に関する感想や意見は多く、CRCのサポートの有無が臨床試験を進める上で大きく影響すると感じたといった感想や、CRCと一緒に参加した医師からはCRCについて理解でき、さらにお互いどのように協力体制をとっていくか考えるよい機会になった、といった感想が寄せられ、CRCの臨床試験支援体制について見直すよい機会になったようです。品質管理と品質保証、臨床試験に必要な組織の講義についても普段聞くことのない内容を聞けて有意義だったとの声があり、興味深くお聞きいただいたようです。また、今回は参加者から講義や臨床試験全般に関する質問が多く寄せられ、最終プログラムの質疑応答・総合討論で活発に討論されました。参加者からは有用なセッションで勉強になった、理解がさらに深まったとの感想をいただき、大変好評でした。

[次回開催は2012年秋の予定]
COREでは来年度以降も本セミナーを共催していく予定です。今回ご参加いただけなかった方は、次回のセミナーに是非ご参加ください。

             講演風景

※セミナーで使用したスライド資料とセミナーの収録映像はICRwebサイトの「共催セミナー」に掲載いたしました。自己学習や勉強会の教材としてご活用ください。
ICRweb      ICRweb(http://www.icrweb.jp/


[プログラム]
  講義名 講師
1 被験者保護と研究倫理+臨床研究に関する倫理指針  中村 健一
(JCOG運営事務局 研究支援部門)
2 標準治療確立の流れと臨床試験のデザイン  片山 宏
(JCOG運営事務局 研究支援部門)
3 がん臨床試験で必要な最低限の統計知識  水澤 純基
(JCOGデータセンター 統計部門)
4 臨床試験の品質管理と品質保証  燗 淳生
(JCOG運営事務局 研究支援部門)
5 臨床試験に必要な組織・人・金/JCOGの機構と役割  福田 治彦
(JCOGデータセンター長)
6 JCOG参加施設のCRCによる臨床試験支援  稙田 いずみ
(東海大学医学部 血液腫瘍内科)
7 質疑応答・総合討論  山本 精一郎
(JCOG教育研修委員会委員長)